新型ノロウイルスの症状や検査方法 感染しないための予防法
冬の食中毒として毎年感染の広がりを見せる「ノロウイルス」。
今年は早くも集団感染が発生しています。
特に注意が必要なのが「遺伝子が変異した新型ノロウイルス」です。
2015年1月頃から検出され始め、8月末までに高齢者施設や保育所で集団感染が報告されています。
それでは「新型ノロウイルス」とはどのような症状で、今までの「ノロウイルス」とどうちがうのでしょうか。
感染してしまったらどのような対処をすればよいのでしょうか
また予防する方法はあるのでしょうか。
これから詳しく説明していきたいと思います。
「ノロウイルス」と「新型ノロウイルス」の違いと症状
川崎市健康安全研究所によると、これまでのノロウイルスの主な遺伝子型は「GⅡ.4」と呼ばれるものが流行していましたが、「GⅡ.17」の変異株が検出されはじめ、2015年6月までには従来の「GⅡ.4」より「GⅡ.17」変異株の方が多く検出確認されるようになったということです。「ノロウイルス」と「新型ノロウイルス」の違いは「遺伝子型」の違いということになります。
それでは、症状に違いはあるのでしょうか。
「ノロウイルス」はウイルス性の胃腸炎です。
ウイルスが体内に侵入してから約24時間~48時間後におう吐や下痢などの症状が出てきます。
「新型ノロウイルス」と「ノロウイルス」の症状に違いはありませんが、「新型」であるためほとんどの人が免疫力を持っていません。
そのため大流行する恐れがあると言われているのです。
ノロウイルスの感染経路と予防方法
「新型」だからといって特別な対策が必要なわけではありません。まずは発病しないために「十分な手洗い」や原因食品とされているカキなどの「二枚貝」の加熱調理を徹底することが大切です。
感染の原因は、ノロウイルスが付着した食品を食べたり、ノロウイルスが手についた状態で食品を食べたりすることによって感染します。
また、強烈な嘔吐が突然やって来るのがノロウイルスの大きな特徴です。そのためトイレに駆け込む間もなくおう吐すると室内が汚染されてしまいます。
感染した人のおう吐物や排泄物に含まれたノロウイルスが、チリやホコリとなって吸込むことによる感染が、感染拡大の大きな要因となっています。
ノロウイルスの検査方法。費用と薬
ノロウイルスかどうかを検査するためには、直腸に綿棒を入れて便をとります。簡易キットを使って20分ほどすると検査結果がわかります。
費用については、3歳未満の子供や65歳以上の高齢者にはノロウイルス検査に保険が適用されます。
それ以外の年齢層には適用されないため自費診療になってしまいます。
病院によって検査代は違いますが大体、4000~5000円程度です。
そこに、初診料や診察代などがプラスされます。
ノロウイルスに感染しているという結果が知りたい場合のみ、検査を希望することもできます。
なぜなら、ノロウイルスであると確定されても、ノロウイルスに有効な薬がないためです。
整腸剤を処方されて経過を見ていくしかありません。
下痢止めもウイルスの排出を邪魔することになるので使用することは推奨されません。
外にウイルスが排出されると3日程度で症状は改善されていきます。
大切なのは「脱水症状」にならないように水分を十分に摂取することです。
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ハイターで作る消毒液を使ったノロウイルスを撃退させる方法と注意すべきこと
まとめ
冬に流行する「ノロウイルス」について説明してきました。「新型ノロウイルス」も従来の「ノロウイルス」も予防法や対処法は全く同じです。
「新型ノロウイルス」の遺伝子型に多くの人は免疫力がないため、感染の拡大が心配されているのです。
ノロウイルスにかからないためには、まず「手洗い」です。次にノロウイルスの原因となる食品はよく加熱して食べること、そして、おう吐物などの処理を適切に行うことです。
こちらに厚生労働省から「ノロウイルスに関するQ&A」が記載されています。
どうぞ参考にされてください。