中秋の名月にススキを飾る意味は?意外と知らないお団子を供える正しい作法
皆さんはお月見をどのように過ごされていますか。
ススキを飾りお月様を見ながらお団子をいただく、という人も多いのではないでしょうか。
今回は、お月見の日にススキを飾る意味や、お団子を供える意味、十五夜と中秋の名月はどう違うのかなどをお話ししていきたいと思います。
中秋の名月と十五夜はどう違う?
2016年の中秋の名月、十五夜は9月15日(木)(旧暦8月15日)です。中秋の名月の「中秋」とは秋の真ん中をさします。
旧暦で秋は7月~9月としていたことから、8月15日は秋の真ん中「中秋」にあたり、名月とは「お月見」のことをあらわしているため「中秋の名月」といいます。
十五夜とは、新月から約15日たつと月が太陽の反対側に来て満月となります。
月齢が約15日のため満月の夜は十五夜とよばれます。
十五夜は15日の満月の夜のことをさし毎月巡ってくるのですが、旧暦の8月15日には農作物の収穫を感謝してお団子やススキなどを供えて、月に感謝をして祀ったことから「お月見」または「名月」と呼ぶようになりました。
今では十五夜というとお月見のことをさし、中秋の名月と同じ意味を持っています。
お団子を供える理由は?
何故、中秋の名月、十五夜にはお団子を供えるのでしょう。農作物の収穫に感謝し、穀物を粉にして丸めて作ったのがお月見団子の始まりです。
月に見立てた丸い団子ですが、亡くなった人にお供えする枕団子と区別をするために、少し団子の上を押して、やや平たくした形のお団子をお供えします。
団子の大きさは十五夜にちなみ、一寸五分、約4.5㎝の大きさの団子をつくると縁起が良いとされています。
丸くないお月見団子もあります。
主に関西地方ではお団子を里芋の形にして、上から餡をのせたものをお月見団子と言います。
かつては里芋を供えていたことから、お団子を里芋の形にし、上に乗る餡は雲に見立てたのではないかと言われています。
それではお月見団子はいくつ供えればよいのでしょうか?
その年に出た満月の数でいく12個(13個の年もあります)の地域もあれば、十五夜だから15個お供えする地域もあります。
お供えの器は、正式には「三方(さんぽう)」をつかいます。
三方に白い紙を敷きその上にお団子を置きます。
盛り付け方は、15個の場合は「一番下に9個」「真ん中に4個」「一番上に2個」になるように盛り付けます。
三方が用意できなければお皿でも構いません、白い紙を敷いてお供えをしましょう。
お月見団子を盛りつけたら、次はお供えをする位置です。
お月様から見える場所に飾りましょう。
お月様に収穫の感謝を伝えるために、お月見団子と一緒に、旬の野菜や果物も供えましょう。
飾る位置はお月様から見て左側に旬の野菜など、右側にお団子を置くようにお供えをします。
ススキを飾る理由は?
中秋の名月、十五夜ではススキを供える風習もあります。
花瓶に立てたり、家の軒に吊るしたりとお供えする場所は地域によって違いますが、ススキを稲穂に見立てたといわれています。
稲穂をお供えするには少し時期が早かったため、お月様に感謝をあらわすものとしてススキが飾られるようになりました。
また、ススキの切り口が鋭いことなどから魔除けとして飾り、一年間の無病息災を願う地域もあります。
中秋の名月、十五夜のお月見が特別な理由は?
いつでもお月見はできますが、なぜ中秋の名月、十五夜は特別なのでしょう。中秋の名月、十五夜が美しいのは、秋になると気温が低くなり大気中の湿度が下がり透明度がたかくなるためです。
西洋では「満月」は不吉なものとして考えられていることが多いのですが、日本では月を観賞する文化が昔からあります。
平安時代には貴族の間で「観月の宴」が開催されていました。
その後、月の満ち欠けによっておおよその月日を知り農作業を行なっていたことなどから、江戸時代には秋の収穫祭として、庶民の間にもお月見が定着するようになったのっです。
それでは、中秋の名月、十五夜の心が透き通るような、美しいお月様の動画をお楽しみください。
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まとめ
いかがでしたか、お月見の日にススキを飾る意味や、お団子を供える意味、十五夜と中秋の名月はどう違うのかなどをお話ししてきました。今年のお月見は、お団子を食べるだけのお月見ではなく、美しい月を眺めながら、お供えをしていただく、素敵な夜にしてみませんか。
お子様とお月見をしながら
「お米やお芋を作るのに、昔はお月様をみて、種をまく時期を決めていたんだよ。
そのお月様に感謝して、お団子を供えたり、お米の穂に似たススキを供えたりしてお月見をするようになったのよ。」
とお話しをしながらお団子を頂くのも、素敵な夜になりそうですね。