現役眼科看護士が教える朝起きると大量の目ヤニが出る原因や対処法。病院に行くまでにするべき5つのこと
起きたとき、目が開かないくらい目ヤニがついていると驚いてしまいますね。
どんな目の病気にかかってしまったのかと不安にもなります。
今回は、朝起きると大量に目ヤニが出ていた時の原因や対処法、考えられる病気の可能性についてお話ししたいと思います。
目ヤニはなぜでるの?
目ヤニは、目の中の老廃物です。皮膚と同じように代謝を繰り返し、古くなった細胞を入れ替えた後の垢のようなものです。
目ヤニの成分には涙や目の中の古い細胞などが含まれており、朝、目尻や目頭に少量のカサついた目ヤニがついているのは生理的な現象だと言えます。
目の代謝活動は24時間行われているのですが、起きている間の目ヤニは、目頭から鼻へ抜ける「鼻涙管(びるいかん)」を通って鼻の方に流されていきます。
正常な状態であれば、横になって寝ている間は鼻涙管に流れにくくなるため、少量の目ヤニが目の外に出てきますが、起きている間は鼻涙管を通って流れていくため、目の外にまで溢れるようなことはありません。
大量に目ヤニが出る場合は、何かの原因があって炎症反応が強く出ている可能性があるのです。
朝、大量に出る目ヤニの原因は?
目ヤニは目の代謝活動による生理現象ですが、朝起きて目が開かないほど出ているのは、目に何らかの炎症反応が起きていることが考えられます。最も多い原因として考えられるのは「結膜炎」です。
結膜炎の中にはいくつか種類があり「細菌性結膜炎」や「アレルギー性結膜炎」、「ウイルス性結膜炎」などが主にあげられます。
どの結膜炎も、目が充血したり、目ヤニが多くでたりする症状があります。
細菌性結膜炎
細菌性の結膜炎では、黄色ブドウ球菌等によって炎症がひきおこされます。この菌はごく普通に私達の周りに存在している菌ですが、風邪などをひいて抵抗力が落ちでいる時などにかかりやすくなります。
細菌性の結膜炎の感染力は弱く、有効な抗菌薬を点眼することにより、数日で快方に向かいます。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は、花粉やハウスダストなどのアレルギーが原因となり、痒みを伴うことによる炎症から、目ヤニが多くでることがあります。痒みを抑える点眼薬と抗菌剤を点眼することにより、症状を改善することができます。
ウイルス性結膜炎
ウイルス性の結膜炎の場合、ウイルスに有効な点眼薬がないため、ウイルスが消滅する2~3週間は、充血や目ヤニなどの症状が続くことになります。重症化すると角膜(黒目)に傷痕が残るなど、今後の視力に影響を及ぼすこともあります。
涙嚢炎(るいのうえん)、鼻涙管閉そく症
結膜炎以外にも、涙道が詰まったり涙液が細菌に感染したりして目ヤニが多く出る場合があります。涙嚢炎(るいのうえん)になると目ヤニの他に、目頭から頬にかけて腫れあがり痛みを伴います。
鼻涙管閉そく症になると、涙がいつも目の中に溜まって潤んでいる状態が続きます。
目ヤニがたくさん出た時の注意点は?
結膜炎で目ヤニが出ている場合、感染力の強いウイルス性結膜炎の可能性もあります。眼科を受診すると、どのような結膜炎なのか診断されますが、病院に行くまではどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。
・家族とタオルを別にする
・目ヤニを拭き取ったテッシュや布などは、他の人に触れないようにする
・目を触った後は必ず手を洗う
・手を洗う時に触った水道のレバーなども、他の人が触っても良いように洗い流す
・家にある市販の点眼薬などをむやみに使わない
・目ヤニを拭き取ったテッシュや布などは、他の人に触れないようにする
・目を触った後は必ず手を洗う
・手を洗う時に触った水道のレバーなども、他の人が触っても良いように洗い流す
・家にある市販の点眼薬などをむやみに使わない
このような事に注意して、病院を受診する様にしましょう。
目ヤニが大量に出た時の対処法
朝、目が開けられないくらい目ヤニが大量にでていた場合、どのように対処すればよいのでしょうか?まぶたや睫毛などについた目ヤニは無理に取ろうとはせず、濡らしたガーゼなど柔らかいもので、目ヤニを柔らかくしながらそっと拭き取るようにします。
無理に取ろうとすると、まぶたが荒れたり傷がついたりすることがあります。
湿らせた柔らかいもので優しく拭き取るようにしましょう。
患者さんの中には、目ヤニの状態を診てもらおうと大量の目ヤニが出たまま来院される方がいらっしゃいます。
目ヤニの状態は、拭き取っていても顕微鏡で結膜や分泌物の状態を見ることができます。
目ヤニが出たまま放置していると、まぶたが荒れる原因にもなるので、優しく拭き取り清潔を保つようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか、朝起きると大量に目ヤニが出ていた時の原因や対処法、考えられる病気の可能性などを説明してきました。目ヤニが大量に出る場合は、感染の疑いもあることに注意して、早めに眼科を受診しましょうね。